どうも。おひさしぶりです。日々、いろんなBLに元気をもらっているハレです。タイドラマから再加熱した、自分のなかでのBLブームですが、それが今回、ファンタジーBLに目が向きまして、おすすめいただいて読み始めたのが、そうです! タイトルにもあるとおり、「背中を預けるには」(小綱実波先生・著)でございます!! 読み始めるとつづきが気になって、合間合間にどんどんどんどん読み進め、今朝、読み終えたばかりの大河ファンタジーBL小説「背中を預けるには」1.2.3巻(完結)の感想をふわっと、あくまでもふわっとネタバレありで書きたいと思います。前置きが長くなりましたが、ここから本題に入ります。
以下、ネタバレありです。
イオニアの記憶をもつレオリーノ
あらすじを書こうかと思いましたが、何から書いてもネタバレになり、どこからどう手をつけていいのかわからないほどの、長編。
かつてファノーレン王家の王位継承者であったグラヴィスは何者かに命を狙われていて、彼の人間の盾となっていた異能の持ち主イオニア。イオニアはどうしてもグラヴィスへの想いを断ち切れないまま、ルーカスという優しい恋人に抱かれている。それが恋とは言えないまでも、自分が罪の意識に苛まれたとき、いつもルーカスの存在に助けられてきたイオニアは、いつかルーカスに好きという気持ちを抱くようになる。
私は基本、どっちつかずの関係には惹かれないのですが、イオニアの気持ちを想像するとふたりとも大事だったんだろうなぁ、という感想に至ります。イオニアはグラヴィスへの深い想いを抱きながらも、ルーカスに救われているという複雑な立場の青年で、最初はグラヴィスに叶わない恋をしていたがために、命を落としてもまた彼に会いたいと思って、その強い気持ちがレオリーノに受け継がれたのだと思っていました。ですが、違った。グラヴィスへの愛も、ルーカスへの気持ちも、どちらもあって、この物語に一貫して流れている二面性と言いますか、人というのはどんなことも白黒つけられないものなんだな、という考え方がここにも表れているのかなと、いま書きながら気づきました。
完全悪もないし、完全な善というものもない。何が正しくて何が間違いかなんてことは誰にも決められない。人はひとつの顔だけで生きているわけじゃないし、ひとつのところにとどまれるわけもないし、ひとつの思いだけで生きることもできない。イオニアにとって、グラヴィスもかけがえのない存在だし、ルーカスも自分を救ってくれる存在だったし、そのふたつの気持ちが混ざりあってはいけないものだ、とは言えないと思うのです。諦めることしかできなかったグラヴィスへの気持ちと、ずっとそばにあったルーカスの愛。ふたりへの想いのなかで揺れ動く? 動いてない? ただ受け入れているのが、イオニアなのだな、と思います。
過去に戦のなかで命を落としたイオニア。グラヴィスへの想いと裏切り者の記憶を胸に刻みながら息絶えたイオニアの記憶が、レオリーノに受け継がれます。
ひたすら天使のように愛らしいレオリーノ
レオリーノはイオニアの記憶を受け継ぎながらも、確固たる自分の意志をもって、どんどん進んでいくのですが、イオニアのようになれないことを嘆きます。
イオニアが命を落とす寸前に得た裏切り者の記憶が、レオリーノを駆り立て、そして事件に巻き込まれ、不運にも走れない身体になってしまう。愛しいひとを守っていたイオニアと違い、守られるだけの立場のレオリーノ。国を揺るがすような絶世の美貌と、その天真爛漫な性格から、ひたすら家族にも溺愛されて育てられるのですが、レオリーノ、さすがというかなんというか、芯が強い! ふわふわしているように見えて、ここぞ! というときには勇気を振り絞るし、事件に巻き込まれ事件を引き起こし何度も恐ろしい目にあったとしても、裏切り者の記憶を、真相を暴こうと必死で立ち向かっていく。
グラヴィスのことを好きになるのは、イオニアの記憶をもっているから仕方ない、というよりは、イオニアの記憶のなかのグラヴィスに恋をした、ように私は思います。イオニアと僕は別だってレオリーノが常に言っていましたし、それでもイオニアの記憶のなかのグラヴィスに惹かれて、そして年齢を重ねたグラヴィスに実際に会って、どうしようもない憧れが恋に変わり、そして愛だと、愛することはどういうことなのか、ということに向き合っていく。その過程でルーカスのイオニアへの執着を解き放ったり、そしてルーカスとも向き合い、自分がいつかルーカスを好きになるかどうか、わからない、とレオリーノが言っていましたが、最後までグラヴィスへの愛を貫いたんだなぁ、って最終巻を読んだいまならわかります。
ルーカスと向き合うことで、レオリーノのなかのイオニアが救われたように見えたのは、私だけでしょうか。
炎の戦場のなかに、雨が降ったのは、救いだったのではないでしょうか。
そんな風に思ってしまいます。それでもレオリーノはグラヴィスへの愛をとめられない。レオリーノはイオニアではないから。イオニアだってグラヴィスを愛していましたが、やっぱり救ってくれるのは太陽のように明るいルーカスなのかなぁ、ってすこし感傷に浸ってしまいます。グラヴィス、愛が重いけど、守ってくれるし、強いし、かっこいいけど、救いとは言えなかったのかなぁ、と…
レオリーノの話をしようとして、脱線しましたが、レオリーノはとってもとっても愛らしいんです!! ちょっと世間知らずなところがあって、確かにそんな…そんなこと言うのか、そこで!! みたいなところはあるんですが、そこが絶妙に可愛いのです。レオリーノは成年を迎えながら、あどけなさが残り、護衛役のヨセフや侍従のフンデルトと話すときの無防備さ、ふわふわさ、面白さ、そんなところが随所にあって、それがめっちゃくちゃ可愛いのです! それでも誰かのために自分を犠牲にしてしまうほどの勇気がある。そういう二面性も人間らしくていいなって思うんです。
イオニアのように強くなれない自分を、最初は認められなかったレオリーノ。
事故にあい、足を痛め、走れなくなり、守られるだけの立場になってしまったレオリーノ。
それでも頑固で意志がかたく、周囲を巻き込んで、心配をかけながらも、自分の信じた道を突き進んでいくレオリーノ。
父親に励まされ、グラヴィスに愛され、周囲から溺愛されながら、自分の足で立ち、そして何があってもグラヴィスと一生を共にすると誓うレオリーノ。
そこにはきらめくような強さがあると思います。誰かを守ることは腕力だけがすべてじゃない。相手に寄り添うことでしか癒やせない傷もある。何も聞かずに抱きしめる。見守れる。言わなくていいことは言わないでおく。自分がつらくたって、それが相手のためになるのなら。そんな風に思えるレオリーノの強さ。何があっても決して泣きわめいたりしない。ただ真っ直ぐに立ち向かえる強さがレオリーノにはある。
できていたことが、できなくなっても。
ただ生きているだけで、それだけでいいんだ、とレオリーノの父親は諭す。
その人生観が私の胸を打ちました。
闇が暴かれるとき
ストーリーはと言いますと、どこまでも重厚で、イオニアが知った裏切りの記憶から、レオリーノが突き止めた真実、そして国をかけた戦い、そのあと明かされる予想もしなかった王家の秘密。人間関係が複雑でこんがらがりそうになりますが、それはもう仕方がない。もう、なんというか、本当に大河ファンタジーBLというのがわかるような、イオニアという人物とレオリーノという人物が時代をまたいでつながりあって、その一生を脈々と追い続けた小説、と言いますか、そんななかでグラヴィスやルーカス、ディルクやサーシャ、ヨセフやフンデルト、そしてレオリーノの家族たち、悪役までもが一生を背負い、生き抜いていく、そんな複雑で壮絶で、それなのにどこかで読んでいる私を救ってくれる、そんな小説だったなって思います。
闇が暴かれるとき、光があります。
光なしでは、闇は存在しないからです。
だからきっと誰しもが光であり、闇であり、そのふたつを併せ持ち、危うい均衡を保ちながら、ときに光になり、闇になり、誰かを照らす星屑にもなれば、誰かを包む夜にもなる。そんなことを気づかせてくれた作品です。
それにしても闇が深すぎて、凍りつくぐらいでした。
ぜんぜん気づかなかった。
そんなつらすぎる真実。
グラヴィスの心中を思うと悲痛に胸が痛みますが、きっと彼なら、きっと彼はもう、レオリーノがいるから大丈夫だって思えます。
グラヴィスはレオリーノのなかにイオニアがいることに気づき、その事実が明かされるその前から、レオリーノに惹かれ、レオリーノを愛し、イオニアに対しての想いも捨てないまま、レオリーノと恋に落ち、レオリーノを生涯の伴侶にする。グラヴィスにだって二面性があって、自分のなかに流れる血に震えながら、それでも強く、強く生きようとしている。レオリーノと一緒だからこそ、だからこそ強くなれるんだろうな、といういうのが読んでいると伝わってきました。
まとめ。
とにかくいろんなことが詰まってて、もうどう書いていいのかわかりません!
どこにときめいたとか、どのシーンが好きかとか、この人物のどんなところが好きかとか書きたいと思ったのですが、何しろ、壮大すぎて、どこかを切り取ることができないくらいで、ぽつぽつと自分の思ったことだけを書くという、私的すぎる感想になってしまいました。この感想を読んでから、本編を読もう! と思ってくださる方がいらっしゃるかどうかはわかりませんが、各電子書籍にて配信されておりますので、良かったら。
自分のいちばん好きなシーンは、春が来て、庭でヨセフとレオリーノが話していて、それを背後で聞いていたグラヴィスに気づいて、レオリーノが驚く、あのシーンです。
答え合わせ、するのがいつになるかはわからないけど、きっと、ふたりなら、最高の答えを出してくれると思うのです。
まっすぐでまっすぐでまっすぐでまばゆいばかりのレオリーノと。
ひたすらに自分の置かれた立場を全うする真面目すぎるグラヴィスと。
あいらしいふたりがこれからもつむいでいくであろう素敵な日々を思いながら…
これから番外編集読みます!!
ちょっとこの「背中を預けるには」から、なかなか抜け出せそうにないので、しばらくはこのまま浸りつづけたいと思います!
長々と書いてしまいましたが、読んでくださってありがとうございます!!
ここにはこれからいろいろ書いていくつもりですので、もし良かったらお付き合いください!!